相続・事業承継Vol.42 資産管理会社の活用(基礎編その2)~個人から法人へ~
資産管理会社の活用(基礎編その2)
~個人から法人へ~
相続・事業承継Vol.42
こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の宮崎です。
前回のSUレター(相続事業承継Vol.41)で紹介した資産管理会社の活用法の続きです。前回は、基礎編として、資産管理会社を設立するメリットとデメリット、気をつけるべきポイントを紹介しました。
今回は、引き続き基礎編として不動産管理会社の3方式を紹介します。
個人オーナーの所得を不動産管理会社に移転させるための方法としては、大きく分けて下記の3つの類型に分類されます。
①管理料徴収方式
②転貸方式
③不動産所有方式
①管理料徴収方式
不動産の所有者はあくまでも個人オーナーであり、不動産管理会社は個人所有物 件の管理を行います。そのため、会社が得るのは「管理料収入」のみとなります。
②転貸方式
サブリース方式ともよばれる方法で、個人オーナーが所有物件を不動産管理会社に一括で貸し付けます。会社は個人オーナーに借上げ家賃を支払い、一方で借り上げた物件について入居者を募集し、「家賃収入」を得ます。
会社が空室等の経営上のリスクを負うことになりますので、満室時の実質管理料(賃借人からの家賃収入 - 個人オーナーへの支払家賃)は管理料徴収方式の場合よりも高く設定されるのが一般的です。しかし、空室が増加すると会社は赤字になる可能性があります。
③不動産所有方式
不動産管理会社が物件を取得し、管理運営を行います。
会社が建物そのものを所有しますので、家賃収入は100%会社に入ります。
個人の家賃収入がすべて会社に置き換えられ、個人としての地代収入が残るだけですので、収入の分散効果は不動産所有方式が最も大きいといえます。
それぞれの方式にメリットとデメリットがありますので、下記にまとめました。
3つの方式の中でどの方式を採用するべきか、お客様の意向・所有する不動産の属性等によって向き不向きがありますので、入念なシミュレーションが重要になってきます。