一般税務Vol.29 還付申告とその期限とは
還付申告とその期限とは
一般税務Vol.29
皆さんこんにちは。
SUパートナーズ税理士法人の江原です。
時間がなくて確定申告を行っていない方、また、確定申告は行ったけど医療費等を計算に入れ忘れていたなどの場合、
還付申告又は更正の請求という制度で過大に納めた税金の還付を請求出来ます。
今回のSUレターはその還付申告の期限についてです。
還付申告の時期
通常の確定申告は、基本的に2月16日から3月15日の期間内に行わなければいけません。
しかし、確定申告で所得税の還付を受ける「還付申告」には”いつまでにしなければいけない”という申告の期限がありません。
還付申告は、通常の確定申告と異なり、翌年1月1日から5年の間、申告することが出来るということとなっており、
申告するかどうかは納税者の任意となっています。
つまり、2019年は2013年分についてまで還付申告を行うことが出来ます。
年末調整を行った給与所得者や公的年金等が年額400万円以下の年金受給者の方は、
確定申告が不要となっているため、還付申告を行わずそのままという方がいます。
還付の申告が出来るにもかかわらず確定申告時に時間がなく、
・多額の医療費を支払った場合
・途中で退職して年末調整を行っていない場合
・ふるさと納税を行ったけどワンストップ特例を使っていない場合
などで申告をしていないときは、税金が還付される可能性があります。
期限後の提出でもペナルティ等はありませんので、還付される可能性がある場合は、
忙しくて3/15までに提出が出来なかった方も今からでも提出した方が得になります。
すでに一度申告している場合
すでに確定申告書を提出した方、また還付申告をした方でさらに医療費等が見つかった場合には、還付申告とは別に「更正の請求」を行う必要があります。
この「更正の請求」の期限は、最初の確定申告又は還付申告を行った日から5年以内です。上記の還付申告と期間は同じになります。
こちらは、上記の還付申告とは別に「更正の請求書」というものを作成する必要があります。
前回の申告をもとに、正しい申告ではどのような数字だったのかを比較しながら書く様式になっています。
そのため、申告が終わったからといって処分することなく、前回の確定申告の控えをちゃんと保管しておく必要があります、
出国している場合
年の途中で海外に行った場合は 納税管理人を指定して、還付申告を行います。
海外にいる本人が手続きを行うことは出来ないので、
納税管理人という日本の税金の責任を担ってくれる人を税務署に届け出る必要があります。
その納税管理人が海外に行った方に変わって還付手続きを行います。
海外にいる場合でも、使用する申告書は変わりません。
通常通り、翌年の1月1日から5年間行うことが出来ます。
まとめ
今回は還付が受けられる期限についてまとめました。
基本的に5年間は還付が受けられますので、申告書を提出していない場合でも、
時間があるときに作成をすればまだまだ時間はありますので、納めすぎなものはしっかり還付を受けていきたいですね。