その他Vol.3 フリーレントとは!?~会計処理の方法は!?消費税、法人税の扱いは!?~
フリーレントとは!?
その他Vol.3
~会計処理の方法は!?消費税、法人税の扱いは!?~
こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の新宮です。
大家さんにとって賃貸物件の空室は悩みの種ですね!!
家賃を下げてどうにか稼働率を上げたいところですが、それで他の入居者からも値下げ要求されてしまうと大変なことに・・・。
そこでフリーレントが効果的です。
さて今週は不動産がテーマのSUレターです。
フリーレントとは?フリーレントを利用したときの会計処理や税務上の取扱いは?
フリーレントとは?
まず、フリーレントとは「レント(賃貸料)」が「フリー(無料)」つまり「賃料無料」という意味です。
ただし、ずっと無料というわけにはいきませんので、一定期間(一般的には入居後1~6か月)の賃料を無料にする、というものです。
家賃を無料にする契約形態が一般的であるため、管理費や共益費は当初から発生します。
フリーレントであれば表面上の賃料はそのままで、実質的に入居者の賃料を抑えてあげることができます。
数か月分の家賃収入の損失はあるものの、既存の住人から不平や値下げ要求をされる心配もなく入居率を上げられるメリットがあります。
会計処理の方法は2パターン
1.フリーレント期間中は収益計上せず、実際に賃料を受け取る期間から収益を計上する方法
2.フリーレント期間を含む賃料総額を賃貸期間で按分し、賃貸期間にわたって収益計上する方法
1.の考え方は実質的に「フリーレント期間の賃料は免除又は値引き」という考え、
2.は、フリーレントは一般的に中途解約できないため、契約した時点で賃料総額が確定しているため、フリーレント期間を含めた期間で収益を按分するという考え方です。
法人税の取扱い
1、2のいずれの会計処理を行った場合でも、法人税の取扱いでは税務調整をする必要はありません。つまり、税務上はどちらの処理も認められるということです。
ただし、特定の関係会社や取引先等に対してのみフリーレントの期間を設定して無償で賃貸する場合は、賃料相当額が寄付金又は交際費に該当することになるので注意が必要です。
消費税の取扱い
消費税の取扱いにおいても、1か2のいずれの方法が認められます。消費税の取扱いは基本的に法人税の処理と一致しますので。そのため、法人税の処理上、1の方法で処理すれば、フリーレントが終了し実際に賃料の授受が行われたときに消費税の課税売上を認識することになります。法人税の処理上、2の方法で処理すれば、フリーレント期間を含めて按分した売上を消費税の課税売上として処理することになります。
一般的には2の方法は期間按分に手間がかかるため、1の方法が採用されることが多いようです。