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相続・事業承継Vol.14 株価が3種類もある!?~基本的な株式評価の方法について~

株価が3種類もある!?

相続・事業承継Vol.14

~基本的な株式評価の方法について~

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の乾です。

 

今年ももう12月に入りましたね。早いものです。

この時期になると税理士業界では気になることが2つあります。

1つは忘年会!・・・ではなく、下旬に発表される税制改正の大綱です。

 

そしてもう一つは税理士試験の合格発表です。

普通の人は12月と言えばクリスマスでしょうが、

私たちは合格して何年経っても12月と言えば税理士試験の合格発表、

と思いついてしまう悲しい性です。。。

 

それはさておき今年の税制改正では、

事業承継税制の大幅な緩和がされるかもしれません。

情報が入り次第関係される皆様にはお知らせする機会を設けたいと思います。

 

株価が3種類?

さて経営者の皆様は自社の株価がいくらかご存知でしょうか?

上場会社ですと株価は1つですが、

非上場会社の株価は場面により3つあることを知っていらっしゃいますか?

 

その内容を3回にわたりご紹介してまいります。

まず今回は非上場株式の基本的な計算方法についてです。

平成29年改正による影響も確認していきたいと思います。

 

評価の基 財産評価基本通達

まず株価計算について書いてあるものに、

相続税の「財産評価基本通達」というものがあります。

これは法律ではなく税務当局のなかでの内部文書です。

行政を行う上でのガイドラインのようなものですね。

通達の178~189に「取引相場のない株式」についての規定があります。

イメージをつかんでいただくために大まかに記載致します。

 

2つの評価方式について&大中小会社について

類似業種比準価額方式純資産価額方式という2つの計算方法があります。

(そのほか少数株主のために特例として配当還元価額方式がありますが、

ここでは割愛します。)

 

・類似業種比準価額というのは、同業種の上場会社の株価と比較して評価する方法です。

・一方、純資産価額というのは、会社の資産から負債を差し引いた純資産をもとに評価する方法です。

 

通達の一定の基準(売上、従業員数、総資産価額)によって、

対象となる会社を大・中(中の中でも3つに分かれます)・小に区分します。

 

大会社は類似、中会社は類似と純資産の折衷、小会社は純資産で評価するといったイメージです。

このように話しますと

「うちは上場会社ではなく、小さな会社だから純資産価額だな」

と社長様が謙遜も込めて話されることが多いです。

 

しかし、一般的には類似業種比準価額<純資産価額となることが多く、

そうなると中小企業の社長様は逆に

「何とか類似にならないものか?(大会社に近づけないものかと)」

と税理士に相談されます。

やりようがある場合もあります。

 

類似業種比準方式の算式

では類似業種比準価額の算式を見てみます。

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Aは同業種の上場会社の株価を持ってきます。

もちろん自由に持ってこられるわけではなく国税庁が発表しているものを使います。

かっこ書きの中の、

B(配当)、C(利益)、D(純資産)は、同業種の上場会社の要素を持ってきます。そしてb、c、dが自社の要素となり、

上場会社との対比で比率を計算することになるのです。

b、c、dが小さければ株価が下がるということになりますよね。

 

平成29年税制改正の影響

H28年までは下記のように利益の比率部分を3倍して計算する形となっていました。

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そのため利益が順調に出ている会社の株価は高く評価されていましたが、

税制改正により納税者有利になったと言えるでしょう。

一方、現在の業績は芳しくはないが過去は儲かってしょうがなかった、

というような会社は、純資産がたまっているかと思います。

そのような会社は今までより株価が上がる傾向ではないかと想定しています。

 

もう一つ影響がある改正があります。

比較対象となる上場会社の要素ですが、税制改正により

上場会社の「単体決算」の数値から「連結決算」の数値へ

と変更となるため現況では数値自体が高くなる傾向にあります。

これは株価評価の方向性としては下がる方向となり納税者にとっては有利となります。

 

 

改正による自社の株価の影響を知っておくことは事業承継対策や相続対策においては必須です。

株価評価を再計算されることをお勧めいたします。

 

さて来月はいよいよ!3つの株価についてお話ししてまいります。

 

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