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一般税務Vol.23 ふるさと納税 ~ふるさと納税はどんな制度?~

ふるさと納税

~ふるさと納税はどんな制度?~

一般税務Vol.23

 

こんにちは、SUパートナーズ税理士法人の溝口です。

今週はふるさと納税がテーマのSUレターです。

 

皆さんはふるさと納税を利用したことはありますか。

聞いたことはあるけど、利用したことのない人も多いのではないでしょうか。

今回はふるさと納税の仕組みについて確認したいと思います。

 

総務省は地域資源を活用し、地域の活性化を図ることがふるさと納税の重要な役割と踏まえ、

返戻割合を30%以下とするよう各自治体に通達を出していますが、強制力がないため、

返礼割合が高い返礼品などもまだまだあるようですね。

 

制度の概要

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、

寄附額のうち2,000円を越える部分について、

所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります)。

分の生まれ故郷だけでなく、お世話になった自治体や応援したい自治体等、

どの自治体でもふるさと納税の対象になります。

 

控除を受けるためには?

控除を受けるためには、原則として、ふるさと納税を行った翌年に確定申告を行う必要があります。

ただし、確定申告の不要な給与所得者等は、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である場合に限り、

ふるさと納税を行った各自治体に申請することで確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」

平成27年4月1日から始まっています。

 

ふるさと納税の流れ

ふるさと納税の流れは、ふるさと納税ワンストップ特例を申請するかどうかで異なります。

ふるさと納税ワンストップ特例の申請を行うためには、確定申告の不要な給与所得者等で、

ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である必要があります。

(1)ふるさと納税ワンストップ特例制度の対象ではない方・ふるさと納税ワンストップ特例を申請しない方の場合

①応援する自治体を選ぶ。

②ふるさと納税をする。

・・・選んだ自治体にふるさと納税を行うと、確定申告に必要な寄附を証明する書類(受領書)が発行されますので、

保管しておく。

③確定申告を行う。

・・・ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに、住所地の所轄の税務署に確定申告を行い、

寄附を証明する書類(受領書)を添付する。

④所得税及び翌年度の住民税から控除

・・・所得税からの控除に加えて、ふるさと納税を行った翌年度分の住民税が減額される形で控除されます。

 

(2)ふるさと納税ワンストップ特例を申請する方の場合

①応援する自治体を選ぶ。

・・・ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である必要があります。

②ふるさと納税をする。

・・・ふるさと納税を行う際に、ふるさと納税ワンストップ特例の申請書を提出します。ふるさと納税先の自治体によって、申込手続や申請書が異なることがありますので、ふるさと納税先の自治体にお問い合わせください。

③翌年度の住民税から控除

・・・所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年度の住民税の減額という形で控除されます。

控除額の計算は?

控除額の計算は複雑となりますので、参考程度にお読みいただければと思います。

なお、総務省のふるさと納税ポータルサイトで、

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安や寄附金控除額を計算(シミュレーション)する

エクセルのシートも用意されていますので、気になる方はそちらもご覧ください。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

  

①所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」

*控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限です。

住民税からの控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれ以下のように決まります。

②住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%

*控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。

③住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)

③’住民税からの控除(特例分) = (住民税所得割額)×20%

*③で計算した場合の特例分)が住民税所得割額の2割を超える場合は、

上記③’の計算式となります。

この場合、①、②及び③’の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、

実質負担額は2,000円を超えます。

 

おわりに

ふるさと納税を行うにあたり、どこの自治体に寄付するか迷うかもしれません。

その場合は、ふるさと納税を専門に扱うサイトなどもありますので、そこで寄付先を探してみるのは良いかもしれません。

サイトによっては自治体や返礼品の検索から寄附の送金、返礼品の申し込みまでまとめてできるようですので、

興味がある方は一度ご覧になってはいかがでしょうか。

 

参考:総務省「ふるさと納税のしくみ」

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/procedure.html