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相続・事業承継Vol.12 株式の機能③ ~株式の併合と株式等売渡請求制度~

株式の機能③

相続・事業承継Vol.12

~株式の併合と株式等売渡請求制度~

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の押味です。

 

相続事業承継に関する論点のうち、

特に株式の承継について引き続きご紹介したいと思います。

前回も書きましたが、株式の承継が問題になるのは

「換金しにくい」「株主が多数いると困る(分割が望ましくない)」

ということからでした。

今回もこの「株主が多数いると困る」対策をご紹介します。

 

株式の併合とは、活用法は

株式の併合とは、読んで字のごとし、「株式を併合すること」です。

例えば、「15株を1株に変える」などです。

 

似たような制度に「単元株」というものがありますが、

単元株は「●●株で1議決権」といった「議決権の単位」なので少し異なります。

 

例を使って考えてみましょう。

 

株主構成をAさん15株&Bさん15株 vs Cさん10株と仮定します。

まず、株主総会の特別決議で「株式を併合しよう!」と決めます。

Aさん15株&Bさん15株の併せて30株/40株(2/3以上)となり、決議できますね。

 

そして「株式15株を株式1株に併合する」とすると、

Cさんの10株は端株となります。

この端株については、競売(か裁判所に申し立てて会社が買い取り)して、

Cさんにその代金を渡します

 

イメージつきましたでしょうか?

 

株式等売渡請求制度とは

こちらも読んで字のごとし「株式を売り渡せ!と請求できる制度」です。もう少し内容を見てみましょう。

 

・総議決権の90%以上を持っている株主が、他の株主に「私に売りなさい!」とできる

・株主総会の特別決議も必要がない

・会社が株式を買い取るのではなく、支配株主が、少数株主から買い取る

というのがその内容と特徴です。

 

圧倒的に一人が支配しているが、

成り行きでほんの少しだけ厄介な株主が存在してしまっている場合などに有効でしょう。

 

※注意点※

 前回の「全部取得条項付株式」も、今回の「株式の併合」も「株式等売渡請求制度」も「法律に沿った手続き」をしなければなりません

また、少数株主側にも救済制度がありますので、

それらにきちんと対応しなければなりませんし、

買取の際には価格の算定も合理的でなくてはなりません

弁護士や司法書士、会計士や税理士と連携しながら、確実に進めた方がいいと思います。

もっとも、これらをしっかり行えば、

会社の存続や発展に寄与するような株主構成対策が行えるので、

有効なことには変わりがありませんので、

株主が分散してしまっていて、“漠然とした不安”を抱えている経営者の方、

または事業承継者の方は、少しご検討ください。 

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