その他Vol.18 交際費等における接待飲食費の5,000円基準とは? ~社内飲食に適用はありません~
交際費等における接待飲食費の5,000円基準とは?
~社内飲食に適用はありません~
その他Vol.18
こんにちは、SUパートナーズ税理士法人の溝口です。
今週は交際費がテーマのSUレターです。
飲食費のうち1人当たり5,000円以下の少額なものは交際費から除けることは
多くの方がご存知ではないでしょうか。
では飲食費が1人当たり5,000円以下であれば、
無条件にその金額は交際費から除くことができるのでしょうか。
確かに、交際費等の範囲から一定の要件の下で
「1人当たり5,000円以下の飲食費(社内飲食費は除きます)」
は除外されています(以下、「5,000円基準」といいます。)。
この制度は、得意先等との商談などを活発化するために交際費等から除くとしたもので、得意先等との飲食に限定されています。
従業員等のための社内飲食は、
慰安や社内の意思疎通などが目的であることから5,000円基準の適用からは除かれています。
また5,000円基準の適用に際しては、参加者の氏名など一定の事項を記載した書類を保存していることが必要とされます。
一定の事項を記載した書類
次の事項を記載した書類の保存が必要であり、記載漏れなどがある場合は交際費となります。
①飲食等の年月日
②参加した得意先等の氏名又は名称及びその関係
③参加した人数
④飲食費の金額、飲食店等の名称及び所在地
⑤その他参考となるべき事項
なお、保存書類の様式には定めがないためメモでも構いませんが、
社内様式を制定するなど記載事項の漏れをなくす必要があります。
接待飲食費の範囲に含まれるもの
・自己の従業員等が得意先等を接待して飲食するための「飲食代」
・飲食等のための飲食店に直接支払うテーブルチャージ料やサービス料
・得意先の行事等での弁当等の差入れ
・飲食店での持ち帰り用のお土産代
など
接待飲食費の範囲に含まれないもの
・タクシー代などの送迎費
・単なる飲食物の詰め合わせなどで中元・歳暮と変わらないお土産品代
・ゴルフ・観劇・旅行等での飲食
・交際費等に該当しない飲食費用(福利厚生費、会議費、給与など)
など
会議費等の関係
従来から交際費に該当しない会議費用(会議に関連して、茶菓子、弁当、
その他類する飲食物を供与するために通常要する費用など)については、
1人当たり5,000円超であっても、その費用が通常要する費用として認められるものであれば、交際費等には該当しません。
1人当たりの金額計算
個々の得意先等が飲食店等においてそれぞれどの程度の飲食費等を行ったかにかかわらず、
単純に飲食等に参加した人数で除して計算した金額で判定します。
おわりに
5,000円基準の適用にあたっては飲食費となる範囲、書類の保存など
注意すべき点が多々あります。
仮に人数の水増しや偽名の使用、また一回の飲食代の領収書を複数回に分割したなどの行為があれば、
事実の隠ぺい又は仮装とみなされてしまいます。
不正行為とみなされないためにも、社内ルールの徹底を図ることが重要ではないでしょうか。